2013年02月15日

ちょっと役立つ(かもしれない)ヴィクトリアン小話いくつか

 ちょっとまえにツイッターでつぶやいたものの加筆再録です。

●2012年12月09日(日)

新・三大「サイズ感を誤りやすい英国ヴィクトリア時代の事物」その1・封筒。約12センチ×7センチ、かなりちいさい。若き令嬢の愛らしい手ひらにもすっぽり収まる。
posted at 19:31:18


 ※ちなみにこれは「1870年代いっぱいまで好まれた」サイズ。『ヴィクトリア朝百貨事典』より。

新・三大「サイズ感を誤りやすい英国ヴィクトリア時代の事物」その2・紙幣。約21センチ×13センチ強。だいたいA5サイズを横に倒したぐらいでデカイ。額面5ポンドからで、金貨(1/2&1ポンド)より高額。庶民にはたぶん縁がない。
posted at 19:34:16


最低額の紙幣1枚で下っ端メイドやボーイの年収まるっと払えてしまうと考えるとね。
posted at 19:35:38


 ※見た目はだいたいこんな感じ(1940年代のもの)で、5ポンド札の通称は「ホワイト・ファイヴァー」。

●2012年12月11日(火)

新・三大「サイズ感を誤りやすい英国ヴィクトリア時代の事物」その3・ワイングラス。いまの赤ワイングラスは両手でもあまる大きさだったりふちに向かってすぼまってるものが多いが、あれは20世紀中盤につくられたもので、それより昔のものはかなりちいさく、ガラス厚め、ステムも短い。
posted at 10:07:06


(続き)ちゃんと調べきれてないけど、「ワイングラス1杯ぶん(wineglassful)」の容量は2液量オンスだったり4液量オンスだったり(60ml〜125ml)。ビートン夫人の料理書1907年ではおよそ70mlだった。
posted at 10:26:39


(続き)いずれにしても「思ったより小さい・すくない」ので、ちょっと古めの外国のレシピを使ってて「ワイングラス1杯のブランデー/ポートワイン」と書いてあって、いまのブルゴーニュグラスになみなみいれたら大変なことになる(笑)
posted at 10:28:09


Beauty & Co. │RIEDEL HISTORY Vol.1 リーデルの誕生 http://t.co/8TABPuPU リーデル社のワイングラスの歴史をマンガで。オチがすてきだった。
posted at 10:39:26


posted by rico at 20:12| メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月13日

2013年もよろしくお願いします(近況と予定と萌え告白)

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 そろそろバレンタインデーに差しかかろうというのに年始のごあいさつもせずにおり、まことに申し訳ございません……ことしもよろしくお願い申し上げます。

 2013年の予定は、翻訳書をふたつ、書き下ろしをひとつ。書店に並ぶところまでいけるのは一冊か二冊ということになりそうですが、なんとか本を出して生きていきたいと思っております。本年もどうかご支援のほどお願いいたします。(あと、ちょっとひとまえでお話させていただく機会もあるかも。どきどき)



 友人の漫画家・山名沢湖さんが、新作ストーリー漫画の連載を開始しました! 講談社「Kiss+(キスプラス)」現在発売中の2013年3月号から開始です。タイトルは「花ちゃんとハンナさん」現代の女の子・花ちゃんのもとに、昔のメイドのハンナさんが現れて……というちょっと不思議なお話です。わたしもハンナさん側(英国ヴィクトリア時代末期)の資料出しをしたり、いろいろ相談に乗ったり、せっせとお手伝いしております。

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大判カード型写真(キャビネット・カード)。1900年前後かな。漫画本編とは関係ありませんが資料として出したもの。

 構想はずいぶん前からあって、「こんなお話考えたんだ」「いいねいいね! あんなネタもこんなネタも入れてよ!」ってだいぶ前から盛り上がってきたお話なので、できれば長く続けてもらえるように、寄り道トリヴィアなんかをいっぱい混ぜ込む余裕ができるように(笑)、よろしければ応援お願いします!


「Meet the Quatermaster」

 昨年末に見にいった「007 スカイフォール」でQ役のベン・ウィショーさんにまんまとフォールしツイッターでひとしきり騒いだあげくにもうひとつブログまで始めてしまいました……あちこち不義理をしまくってるのにすみません……


「情愛と友情(Brideshead Revisited 2008)」

 でも、やってること自体にはあまり反省しておりません。どさくさにまぎれて告白すると、あまり前面には出しませんでしたが、心のなかでは常に何かしらに萌えてはおりました。友だちにすら言ってないような、墓のなかまで持っていかなければいけないようなものまで含めて……。

 おまけ、バレンタインカードに関連する最近のつぶやき。

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バレンタインカードを選ぶ。1881年家庭雑誌の挿絵から。 http://t.co/TSpT0bve
posted at 09:37:45


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続き。ちょっとそこまで投函しに行くだけにしては後ろ裾引きすぎお洒落すぎなのはファッション解説ページの挿絵だから。六角形のポスト。 http://t.co/37ShQSPT
posted at 09:39:24


六角形のポストは「六角形のポスト」としか認識してなかったけど、ペンフォールズという名前があったのかhttp://t.co/i1OUn41F
posted at 09:49:10



というわけで、お仕事がんばりますので温かい目で見守っていただけますと幸いです……。
posted by rico at 10:38| 仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月01日

クリスマスプディングのつくり方(お手軽版)

 おひさしぶりです。9月に出ました訳書『図説メイドと執事の文化誌』好評発売中です。いまは小説翻訳の企画がとおり、来年初夏の発売をめざして絶賛格闘中。小説難しい。でもたのしい。めどが立ちましたら告知しますので、またどうぞよろしくお願いいたします。

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 さて、ことしはうちでクリスマスプディングをつくってみました。まだまだ熟成中ですが……。

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 小さいのをひとつ試食。いまの時点でもじゅうぶん美味しいです。



 2年前にコミック『エンバーミング』のおまけ企画で挑戦したときには、1907年の『ビートン夫人の料理書』のレシピをもとに、100年前の味をできるだけ忠実に再現しようとがんばったものです。このときのレシピは『エンバーミング』単行本6巻、コラム「エンバーミング博物誌」vol33に再録されました。

 今回は、ただ自分が美味しく食べるだけが目的ですから、材料は近所で手にはいるものだけで代用し、扱いやすいよう量も減らしたお手軽バージョンにしてしまいました。来年のためにレシピをメモっておきます。

●クリスマスプディングの材料
(400グラムのいれものおおざっぱに2個分くらいのどんぶり勘定)
・バター(またはケンネ脂) 110グラム
・塩 1つまみ(有塩バターの場合は省略)
・ミックスレーズン(またはレーズン、カランツ、サルタナ)合計280グラム
・マーマレード(または砂糖漬けオレンジピールとレモンピール合わせて) 60グラム
・砂糖 110グラム(あればブラウンシュガー)
・ハチミツ 大さじ1(省略可)
・小麦粉 30グラム
・ナツメグ 適量
・シナモン 適量
・好みのスパイス 適量
・食パン 2枚(または生パン粉110グラム)
・スライスアーモンドやピーナッツなど皮なしのナッツ類(乾燥ココナッツ、ダイスカットアーモンドなど) 30グラム
・牛乳 70cc
・ブランデーかラム 35cc
・レモン汁 大さじ2(または生レモンからおろした皮としぼった果汁 1/2個)
・卵 2個


●つくり方
1 バターをダイス状に刻む。レーズンは粗く刻む(半分にカットする気分で)。ナッツも刻む。ピールを使う場合も短く刻む。マーマレードのときはそのまま。パンは手で細かくちぎる。
2 液体(卵、牛乳、ブランデー、レモン汁)以外の材料をボウルに全部いれて混ぜ合わせる。
3 2に牛乳を加え、溶きほぐした卵を加え、ブランデーとレモン汁を加える。
4 内側にバターか油を塗った容器に材料を入れ、口の内側の大きさにカットしたクッキングペーパーかアルミホイルでふたをし、清潔なふきんで包んで結ぶ。
5 4時間ゆでるか、5時間以上蒸す。(でもサイズが小さければもっと短くていい気がする)
6 水分が乾くまで冷暗所に吊るし、そのまま冷暗所か冷蔵庫か冷凍庫で保管。
7 食べる時に1時間以上蒸すか、レンジで温める。
8 ブランデーでフランベし、ソースをかけて供する。


 結局のところ、刻んで混ぜて(長時間)蒸すかゆでるかするだけなので、手順自体はものすごく簡単。材料と時間さえあれば失敗はまずないと思います。ご家庭の味ですから、材料のバランスが多少違っててもそんなにひどいことにはならないですし、いれものも、陶器のどんぶりとか湯飲みとかプリンカップでぜんぜん問題ないです。長期保存にそなえて雑菌だけは気をつけて。よかったら挑戦してみてください。

posted by rico at 11:32| メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月16日

『図説 メイドと執事の文化誌』発売中

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図説 メイドと執事の文化誌
シャーン・エヴァンズ著 村上リコ訳 原書房
【amazon】 / 【楽天ブックス】 / 【紀伊國屋書店】

 翻訳を担当した本が、9月末に発売されました。順調と聞いていますが、発行部数が少なめなので、あまり店頭で出会わないという方もいらっしゃると思います。また、ちょっといい値段でもあり、内容をしっかり吟味したい、という方も。そこで、中の構成と図版の使われ方などをご紹介したいと思います(独断で)。なお、本書の大まかな位置づけ、出版の経緯、原書情報などの基本事項についてはひとつ前の記事にてご紹介しています。

 目次と項目はこんな感じです。

はじめに

◆第1章 使用人としての生活

 階上と階下

◆第2章 階下の登場人物たち
 
 家内の序列/家令/執事/シェフ/コック/キッチン・メイド/スカラリー・メイドとトウィーニー/ホール・ボーイ/スティルルーム・メイド/ハウスキーパー/ハウスメイド/レディーズ・メイド/従者/フットマン/運転手/ランドリー・メイド/家庭教師/ナニーとナースメイド

◆第3章 「大きなお屋敷」の世界
 
 使用人区画/春の大掃除/害虫・害獣/カントリー・ハウスの火災/技術革新が使用人にあたえた影響/領地でとれた食べ物/キッチンの通路を曲がって

◆第4章 日々の職務と大きな催し
 
「階上」の朝食/淑女たちの昼食/アフタヌーン・ティー/晩餐のための着替え/「晩餐のしたくがととのいました」/舞踏会とパーティー/旅行と使用人/王室の訪問/「大きなお屋敷」のクリスマス

◆第5章 使用人の暮らし
 
 使用人を採用する/スタッフの引き抜き/給料と支払い周期/チップと役得/「見えない」使用人/使用人の復讐/使用人との結婚/使用人舞踏会/使用人の自由時間/日曜日ごとの礼拝/使用人の休暇/病気の使用人/国民保険法/老齢/救貧院

◆第6章 終わりの始まり
 
 なぜ終焉を迎えたのか/使用人の不足/移民/「淑女手伝い」――使用人の代わりとして/第一次世界大戦

謝辞
訳者あとがき
主要参考文献
索引


◆第1章 使用人としての生活 では、過去の英国における大邸宅の世界で、家事使用人として生きるというのはどういうことだったのか、彼女ら彼らはどのような位置づけであったのか、歴史を押さえつつ簡単に説明します。

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メイドになる少女たちにとって「お屋敷づとめ」とは?

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エドワード七世時代に改装されたキッチン。

◆第2章 階下の登場人物たち では、19世紀末から20世紀初頭までの時代のカントリー・ハウスの家事使用人を、職種ごとに分けて解説しています。図版はすべてカラー。モノクロの記録写真であっても、セピアの元の色をきれいに再現しています。

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執事の作業室と燕尾服。

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ハウスキーパーとスティルルーム・メイドがジャムなどをつくるスティルルーム。

◆第3章 「大きなお屋敷」の世界 は、英国の大邸宅の構造と、個別の部屋の機能にフォーカスをあてています。

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長屋の屋外トイレ。キッチン、トイレ、バス、醸造室……。珍しい写真がたくさん。

◆第4章 日々の職務と大きな催し は、100年前のカントリー・ハウスの主人たちの豪奢な(そして意外に気苦労も多い)暮らしぶりについて。朝食、昼食、午後のお茶、晩餐といった日常から、パーティー、旅行などの季節のイベントまで。華やかな写真が多い章です。

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飾り付けられた晩餐室。

 ◆第5章 使用人の暮らし は、コックやメイドや執事たちの日常生活について。それぞれの邸宅に残る個人の証言が生きるパートです。

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質素な使用人専用階段。メイドは姿を隠して働くことを求められた。

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ナショナル・トラストの保有する救貧院。いつか見に行きたい……。

◆第6章 終わりの始まり は、使用人が姿を消してゆく過程について。少し駆け足ぎみではありますが、貴族と使用人の世界が第一次世界大戦をどのように体験したのかという、最後のパートが白眉。時代背景はドラマ「ダウントン・アビー」の世界に重なります。

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20世紀初頭のメイドと犬。
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カントリー・ハウスは兵士たちの療養所として使われた。

 私の前著『図説 英国メイドの日常』や『図説 英国執事』で触れたおなじみのエピソードもありますが、初めて接する情報も多く、翻訳しながらとても勉強になりました。これは、各地の大邸宅を保存・修復する過程で収集した、家ごとの記録や、独自の口述ソースを活用しているからです。

 先月、英国に旅行し、イングランド北部の「クラッグサイド」という邸宅を訪ねました。「使用人の集合写真を展示していたら、そこに写っていたコックとフットマンの身元が新たにわかった」「その人物の血縁の人びとに話をきくことで、貴重な情報がつぎつぎに判明」ということがあったそうで、「使用人の暮らし」にフォーカスをあてた小さな展覧会を開いていました。さまざまな史料を大切に保管し、一般に公開し、地域の人びとと交流するなかで、口述歴史の糸は紡がれつづけているのですね。

 英国時代もののドラマや映画やアニメなどを見て、背景に興味がわいてきた方にも、私のこれまでの本をすでに読んでくださった方にも、興味深く読める本になっているはずです。ぜひお手にとっていただけますと幸いです。
posted by rico at 12:34| 仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月09日

シャーン・エヴァンズ著『メイドと執事の文化誌』9月下旬発売予定。

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図説 メイドと執事の文化誌
シャーン・エヴァンズ著 村上リコ訳 原書房
【amazon】 / 【楽天ブックス】 / 【紀伊國屋書店】

 今月下旬に出る予定の新しい本です。翻訳を担当しました。

 原書は2011年秋に発売されたばかりの新しいもので、原題は“Life Below Stairs: In the Victorian & Edwardian Country House”。19世紀のヴィクトリア女王時代から、20世紀初頭のエドワード七世時代までの英国を対象とし、貴族や地主の大邸宅における「階下の暮らし」、つまり家事使用人の生活について書かれた本です。

 著者のシャーン・エヴァンズ氏は、ヴィクトリア&アルバート博物館、デザイン博物館、そしてナショナル・トラストに勤務した経験のある方で、原著の版元もナショナル・トラストブックス。ということで、自然や景観、歴史的建築物を保護するボランティア団体である「ナショナル・トラスト」とは非常にかかわりの深い内容になっています。

 ナショナル・トラストは、現在では300以上の歴史的な建物を保有しているそうです。宮殿のような有力貴族の大豪邸から、牧師館や農場や、小地主の小ぢんまりしたお家まで。こうした家には、過去にはそれぞれに異なる私生活があったはずです。建物そのものだけではなく、日記や帳簿や、そこに暮らした人々の口述記録も大切に管理されています。著者はそのような、はかなくもめずらしい資料に触れて、過去の日常生活の再現を試みています。

 写真が主役の本ではありませんが、図版は120点ほどおさめられています。執事の仕事場、ヴィクトリア時代のキッチン、使用人の寝室や浴室などの写真をカラーで豊富に掲載しているのは、ナショナル・トラストの本ならでは。「よそゆき」の顔をした豪奢な応接間や大階段を自慢にする家は多いものの、こうした「ふだん使い」の部屋や「使用人の領域」を残している邸宅は少ないので、こうしてまとめて鑑賞できるのは、読者として非常に嬉しいものです。

 初めに声をかけていただいたときには監修を、というお話だったのですが、このような原著の内容に魅力を感じたため、ぜひ自分で翻訳もさせてほしいと立候補しました。楽しくも大変な道のりではありましたが、無事に完成の運びとなりました。どうぞよろしくお願いします。

 訳をすすめるほど英国に行きたくなり、校正を繰り返すほどナショナル・トラスト熱が募って募って困りました(笑)。というわけで、もう少ししたら二週間ほど旅に出てきます。本書に登場した場所もいくつか訪問する予定。近年ではネットが使える宿が多いので、ツイッターで現地報告できたりするかもしないかも。
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2012年09月05日

『黒執事』ファンにお薦め・勝手に「ふくろうの本」フェア(3)

 みんなが忘れた頃にそっと恥じらいつつ更新ですよ…。完結編。
図説 シャーロック・ホームズ (ふくろうの本/世界の文化)

図説 シャーロック・ホームズ

小林 司・東山 あかね
定価1,890円(本体1,800円)
ISBN:978-4-309-76184-8
世界一有名な探偵シャーロック・ホームズが活躍したのは、主にヴィクトリア時代末期の1880年代あたりから、20世紀初頭のエドワード時代にかけて。この時代の風物や習慣のことなら、シャーロック・ホームズファンのみなさまに脱帽。当時のロンドンの様子、ホームズの食べたもの飲んだもの、好みの音楽、報酬額はどれくらいとか、馬車に地下鉄に郵便に薬…。お話やキャラクターの魅力もさることながら、ついつい日常のあれこれに目が行ってしまう。年表、訳名対照リストもたいへん重宝。

図説 不思議の国のアリス (ふくろうの本)

図説 不思議の国のアリス

桑原 茂夫 著
定価1,890円(本体1,800円)
ISBN:978-4-309-76093-3
アニメ版『黒執事II』のオリジナル番外編映像「シエル・イン・ワンダーランド」の元ネタは、もちろんルイス・キャロルによるナンセンス・ファンタジー『不思議の国のアリス』。原典の奇想天外っぷりにもぜひ直接触れて欲しいけれど、そもそもの初めに本のかたちになったときからイラストとは切り離せなかった作品だけに、ヴィジュアル解説本はぜひとも一冊持っておきたい。いろいろな画家が手がけた挿絵はもちろん、キャロルが趣味で撮影していた写真についての章もある。このお話がささげられたアリス・リデルと姉妹たち、その他の少女友達の美しい写真が楽しめる。



図説 マザーグース

藤野 紀男 著
定価1,890円(本体1,800円)
ISBN:978-4-309-76092-6
アニメ版の「ロンドン橋落ちた…」も、原作サーカス編の「トムは笛吹きの息子…」も、「マザーグース」と呼ばれる数多くの歌や詩の一種。英米人なら誰もが小さな頃から口ずさんで育つという、こうした伝承童謡を、発祥の歴史や種別、文化とのかかわりから数々のイラスト表現まで紹介した本。コンパクトにみえてなんと100以上の作品が取り上げられていて、巻末には原文を収録してある親切設計。著者はマザーグース学会会長という権威ながら、文章は気さくでやさしく、とても読みやすい。信頼の入門書。

あと、『黒執事』といったら『図説 切り裂きジャック』でしょ!なんでとりあげないの?という質問への答えは、えーと…品切れだからです! 無念! 同著者の『切り裂きジャック 闇に消えた殺人鬼の新事実』(講談社文庫・2004年)が見つけやすいかも。
posted by rico at 22:36| 仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月24日

『黒執事』ファンにお薦め・勝手に「ふくろうの本」フェア(2)

きのうのつづきです。




図説 英国貴族の城館 カントリー・ハウスのすべて 新装版

田中 亮三 文・増田 彰久 写真
定価1,890円(本体1,800円)
ISBN:978-4-309-76110-7 ● Cコード:0322
【amazon】 / 【紀伊國屋書店】 / 【楽天ブックス】
英国の歴史ある大邸宅に住み続けるオーナーと親交を結び、「生活の場」「家族の家」としてのカントリー・ハウスを特に愛した著者による無二のガイド本。堂々たるホールや大階段、ギャラリー、書斎、応接間に食堂など、それぞれの部屋の機能を美しい写真とともに紹介している。使用人の世界や肖像画についての解説も。




図説 英国ナショナル・トラスト紀行

小野 まり 著
定価1,890円(本体1,800円)
ISBN:978-4-309-76088-9 ● Cコード:0325
【amazon】 / 【紀伊國屋書店】 / 【楽天ブックス】
英国ナショナル・トラストとは、自然の景観や歴史的建造物を保存するチャリティ団体。歴史の逸話を秘めた古城、有名人の旧邸、映画のロケ地になった場所など、邸宅ごとの情報を掲載している。アニメ『黒執事』や『英國戀物語エマ』で取材に訪れた家も。「過去のある時点における暮らし」を考証し、再現し、保存し、展示しようとするナショナル・トラストの試みは、『英国貴族の城館』の著者とは関心の方向性が異なる。掲載されている場所は上記二冊でかぶっていないので、併読がお勧め。




図説 ヨーロッパ服飾史

徳井 淑子 著
定価1,890円(本体1,800円)
ISBN:978-4-309-76140-4 ● Cコード:0322
【amazon】 / 【紀伊國屋書店】 / 【楽天ブックス】
1章ではまず西洋の服飾史の流れを、2〜3章では色や柄、ファッションのスタイルと社会の関係を、そして4章では性別と服装(異性装など)、下着の変遷、子ども服といった魅力的なトピックを解説。個人的にはもちろん4章に興味津々。



図説 英国ティーカップの歴史 紅茶でよみとくイギリス史
Cha Tea 紅茶教室 著
定価1,890円(本体1,800円)
ISBN:978-4-309-76189-3 ● Cコード:0372
【amazon】 / 【紀伊國屋書店】 / 【楽天ブックス】
お茶とティーカップをとおして見る英国文化史。アフタヌーン・ティーをはじめとした茶の文化が花開いた18世紀〜19世紀の比重が多め。さまざまなブランド、年代のアンティーク茶器の写真が美しく目の保養。非常に珍しい雑誌挿絵などの図版もあり。
posted by rico at 17:48| 仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする