2015年08月12日

近況&わたしの英国旅行持っていくとおすすめなものリスト2015

 たいへんごぶさたしております。暑いですね。
 ふたつ同時進行で泣きながらすすめていたお仕事がなんとなくひと区切り。ひとつは9月前半、もうひとつは10月初頭に発売される予定なので、近くなったら告知しますね。

●春旅行

 5月後半に、枢やなさんとスタッフさんと四人で15泊17日のロンドン〜カンタベリー〜サセックス〜オックスフォード〜コッツウォルズ〜エディンバラ〜ヨークというちょっとした英国大周遊旅行を敢行してきました。
















 ちょっと詰め込みすぎの旅程で疲れさせてしまったかな、という反省点もありつつ、大聖堂にお屋敷にお城にサーカス、バーレスクまで、なかなかおもしろいものをたくさん見られたので、『黒執事』の今後の展開が楽しみです。

 http://twilog.org/murakamirico/date-150514

 ↑旅行中(5/14〜28)はリアルタイムでツイートしていました。ご興味があればtwilogでごらんいただければ。

●秋旅行

Bakkhai Short Trailer from Almeida Theatre on Vimeo.


 来月9月には、また家族旅行にかこつけてベン・ウィショー君の舞台‘Bakkhai’も見に行ってきます。たのしみ。

●わたしのロンドン・持っていくとおすすめなものリスト2015

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 誰かと一緒に行くときや、「ロンドン行くことにしたんだけど……」という友人知人から、「用意したほうがいいものある?」という質問を受けることが多くなったので、個人的に持っていくと重宝なもの、そうでもないもの、をまとめて載せてみます。1回リストにしておくと、聞かれたときサッと出せて自分が便利だからね!

 当然ながら、予算や行動ペース、関心、行き先など、旅のスタイルに合わせて必要な荷物はまったく変わります。あくまでわたしの場合は、ということで。先進国なので、なんなら手ぶらで行ったって服も小物もなんでも買えますよ(ぜいたくざんまいできるだけの予算があるなら、ですが)。

・歯ブラシ →日本と違って高級ホテルでも置いてない
・携帯用スリッパまたは部屋ばき →ホテルは土足なので。使い捨てでOK
・携帯用殺菌ウェットティッシュ →おしぼり出ないので
・ジップロック数種類、ビニール袋、ゴミ袋 →あると何かと便利
・変換プラグ →英国はだいたい三本足のBFタイプ
・マスク →機内やホテルの部屋で乾燥防止に
      ただし街中ではつけてる人がおらず、不審がられると思うので使わない
・保湿化粧品類 →とにかく乾燥するので。あっちでも買えますが使い慣れたものを
・リンス →シャンプーしか置いてないこともあるので念のため
・たためるレインコート、防水ウィンドブレーカー+折り畳み傘
 →にわか雨が多いですが、すぐやむので前者あると超便利、あと帽子もおすすめ
・着圧ソックス、フライトソックス →長時間フライトのむくみ解消に
・カーディガン、ジャケット、ストール
 →脱ぎ着がラクでしわにならず体温調節しやすい羽織りもの必須
・折りたたみボストンバッグ+スーツケース固定用ベルト
 →おみやげが増えたとき用に
・スマートカジュアルの服セット
 →アフタヌーンティーやホテルディナーをするならだいたいこれ
  しわにならないワンピースかブラウス+スカートかパンツかスーツ
  男性はチノかジーンズに襟のあるシャツ、ジャケット
  NGだと思うのはカジュアルなスニーカー、Tシャツやトレーナー、半パン・サンダル
  靴はできればパンプス、革靴がいいみたい
 (観光モードではかなり歩くのと、まあまあのレストランでも浮かないように
  わたしはだいたいウォーキング兼用フラット靴で旅程ずっと通してます
  パンプスやフラットシューズとスニーカーを持っていって使い分ける人も)

※滞在期間が長い場合は……
・携帯洗濯板と小さいピンチハンガー
 →下着やハンカチなど、部屋に備え付けの石鹸で洗濯するとすぐ乾くので荷物が減らせます
 →洗剤や洗濯ネットを持っていってコインランドリー(launderette)を使っても
・割りばし、紙皿、小さいタッパー →持ち帰りご飯を買ったときのため

※逆にいらないもの
・タオル、ドライヤー →だいたい宿にあります。部屋になくても貸してくれる
・変圧器 
  →日本は100V、英国は240Vで電圧が違うのですが
   最近の電子機器(PC、デジタルカメラ、スマホ、タブレット)は
   だいたいユニバーサル対応なので、必要になったことはいままでないです
・布のエコバッグ →持ち歩くと超便利なんですが、現地調達をお薦め
  本屋、スーパー、雑貨屋など、どこでも安くて可愛いのを売ってるので

 あとは、フリーズドライの日本食やお味噌汁などを持っていくひともいますね。
 ホテルの部屋にお茶が入れられる湯沸しとカップがあるなら、
 ミニサイズの袋入りチキンラーメンがエマージェンシーフードとしてお気に入り。

 そんな感じで、ご参考まで。もっと細かい旅程や行き先を詰めなくちゃ。アデュー! アデュー!
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2013年06月16日

2013年英国旅行(1)5/27〜28 ウィンザーから北へ

 途中で力尽きない程度にさらっと旅行メモを記しておこうと思います。よろしければお付き合いください。

 5月27日、ヴァージン・アトランティックで成田からヒースロー空港へ。到着後すぐ、レンタカーを借りてウィンザーに向かう。

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 「メルキュール・ウィンザー・カースル・ホテル」にチェックイン。入り口は狭そうに見えるが内部は奥行きがあって、通路は入り組み、いかにも古い建物を改装したという雰囲気。部屋は広くて綺麗で、浴室にはバスタブもついている。なかなかおすすめ。

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 なんと宿の階段ホールに使用人呼び出しベルが! もちろん飾りだけど、初日からなんとなく幸先いい気がする。……などと思うのはきっと自分だけ(笑)。

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 夕食は近場の「カーペンターズ・アームズ」へ。建物、内装は伝統的で、サービスは感じがよく、味も悪くなかった。夕食を出すパブと飲むだけの店があるんだと知ったのは渡英3回目くらいのときだったっけ。

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 すでにかなり日が長く、夜八時くらいでも明るい。ウィンザー城の坂の下のヴィクトリア女王像。

 翌28日、チェックアウトは11時までなので、部屋はそのままで昼前まで徒歩で観光。あいにくの雨で、この日が一番寒かったかも……。

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 〈ウィンザー城〉。勲章授与の儀式に使われるホールや大きな宴会広間は壮麗で、公式儀礼の場という印象。とはいえ、堀の部分が個人宅のお庭のように手入れしてあるあたりは、「女王のおうち」感をかもし出していた。

 昨年がエリザベス二世の即位60周年(ダイヤモンド・ジュビリー)、そして今年は戴冠式から60周年。先の王が亡くなるとすぐさま後継者が即位ということになる(これは貴族の爵位も同じ)けれど、戴冠の儀式はすこし間をあけるので、記念の年がずれるのだ。ショップには戴冠式にまつわる書籍、図録の類がいろいろと出ていた。

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 ウィンザーの大通りの目立つ一角にこんなパブがあるのが目にとまる。ケンブリッジ公爵夫人、2011って、ウィリアム王子と2011年に結婚したキャサリン妃のこと。すばやいというか商魂たくましいというか……。いやまあ、昔から全体的にこんな感じだったのだろう。あやかり商法も100年経てばりっぱな伝統。

 でもクチコミサイトを見てみたら「カーペンターズ・アームズ」よりランキングは上だった。しまったかしら(笑)。

 ウィンザーのホテルをチェックアウトして車で北へ向かう途中で〈ウォーバーン・アビー〉に立ち寄る。豪華で美しかったが、雨にたたられて敷地内の徒歩移動がままならず、外観の写真を撮りそこねてしまった。

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 ベッドフォード公爵邸の代々の主邸で、「アフタヌーン・ティー発祥の地」。ここで昼食にした。カフェテリア形式のふつうのティールームではあるけれど、ひとつひとつのテーブルに、なまの薔薇が飾ってあったところに、そこはかとなくもてなしの心というか矜持のようなものを感じた。
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2013年06月14日

2013年も英国に行ってきました

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 ウィンザー城、雨の日の衛兵交代

 5月27日から6月12日まで、英国旅行に出かけていました。ことしの旅程はこんな感じ。

5/27    ウィンザー
5/28〜30 ベイクウェル(ピーク・ディストリクト)
5/31〜6/1 ロンドン
6/2〜6/4 グラスゴー
6/5    フォート・ウィリアム
6/6〜8 ポートリー(スカイ島)
6/9    オーバン
6/10   ヒースロー

 ウィンザーからロンドンまでは両親といっしょ。ことしはヒースロー空港に着いてすぐ車を借りてウィンザーからピーク・ディストリクトに直行してみた。31日に空港で車を返してロンドン入り。そして両親をヒースロー空港から送り出したあと、猫丸さんと二人で国内線でグラスゴーに飛び、車を借りてスコットランドの西ハイランド方面を北上してスカイ島をめぐった。おおむねずっと晴れていて、風景を堪能できたのがありがたかった。ネットはほとんどの宿でつながったし、空港やカフェでもかなりwifiが使えるようになっていた。ということが幸か不幸か、日本から次々とやりかけの仕事がメールで飛んできて宿や空港ではふつうに働いていた(笑)。
 旅の模様はtwitterでリアルタイム報告していた。途中で追いつかなくなってるので補足してまとめていきたい(そろそろ狼少年)。


 あと、今回の旅の目的のひとつはベン・ウィショー君の出演する舞台を見ることだったのだけど、なんと劇場前で偶然ご本人に遭遇してサインまでいただいてしまう幸運にめぐまれた! 舞台のことや映画のロケ地めぐりの話題はもうひとつのブログのほうにあげていくつもり。
 まずはご報告まで。新しいお仕事もぼちぼちと。
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2008年07月14日

5月23日(金)3 ブレナム・パレス

 2008年5月22日から6月7日まで、猫丸さん&森薫さんと英国旅行をした時の記録です。

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 タウンホールの前に、なにやらテレビの中継車が集まってるのを横目に、オックスフォードの街から外へ車で移動します。

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 ブレナム宮殿です。世界遺産です。王室所有ではないのに「宮殿」の名がついてしまったくらいですから、とにかく大きくて壮麗な邸宅です。頭の中で、十九世紀にヴィクトリア女王の離宮として建てられたオズボーン・ハウスと比較してみると、歴史があるぶんこちらの方がゴージャスに思えます。

 十八世紀初頭、フランスとの戦争で功績をあげたモールバラ公爵に、アン女王が所領を譲り、王室負担で建物まで建ててあげたというのが起源です。いや、こんなすごいものポンとあげちゃうなんて……と呆然としてしまいますが、それは当時、公爵夫人のサラが女王の大のお気に入りだったという事情から。

 中の写真はとれなかったのですが、それにしてもグレートホールときたら、たいへんな威容でした。今までに訪問した邸宅の中でも群を抜いた天井の高さ。ライブラリーにいたってはもう、どこまでも果てしなく長いものですから、端から端まで歩いているだけでなんだかハイになってきて、笑いがこみあげました。生活感がないにもほどがあります。

 華麗な表面の陰に隠れた部分は(使用人区画なども)あまり公開されていなかったのですが、かわりにソフト的な資料で補うようなつくりになっていました。ここで暮らしていた家族をたどる「語られざる歴史」ガイドツアーや、夏季限定で、家事使用人に扮したガイドさんが語るツアーなどを催しています。図書室の一角には貴族・王家の宮廷儀礼用衣装を展示してあって、中には、色とりどりの従僕や御者のお仕着せもありました。

  scrapbook
Jeri Bapasola『Household Matters - Domestic Service at Blenheim Palace』


 こんなパンフレットも作られています。使用人区画の間取り、生活用具、執事や家政婦のお給料など、二百年間の家庭生活の歴史をコンパクトにまとめたもの。目に楽しいカラーヴィジュアルがいっぱいで、たいへんよい本です。ものすごいお金持ちのアメリカ娘の奥さんをもらったので、その財産のパワーで、1896年までには早くも電気と電話が敷設されていたとか。そのためのおかかえ電気技師はもちろん、当時最新型の蒸気消防車を擁する私設の消防隊も持っていたとか。興味深い情報が載っています。

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 母屋の外側に付随したイタリア式庭園。うっかりすると遭難しそうなほど広い敷地には、薔薇園、バタフライハウス、メイズ、屋台のテントやミニアトラクション群などが点在しています。歩いて回ったら一日ではきかない感じ。

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 ミニ列車「サー・ウィンストン・チャーチル号」に乗り込み、母屋からはなれたところにあるメイズと展示物を見に行きます。園丁の道具や部屋を再現した一角が、なかなかの見ごたえでした。

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 ヘッド・ガーデナーの仕事部屋。作物を植える計画を立てたり、予算を管理したり、部下に指令を出したりしていました。

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 ガーデナー見習いのベッド。簡素です。温室のすぐ隣のこのような部屋に住み込んで、夜の間も作物のためのボイラーを見張っていました。

 展示の説明によると、ガーデナーの下働きは「ボシー・ボーイ」とも呼ばれていました。辞書をひくと、Bothyとは「農夫の住む小屋」とあります。このような邸宅のガーデナーが住み込む農場・共同宿舎も、その名で呼んだようです。へぇ〜。

 堪能しました。

 続きます。
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2008年07月07日

5月23日(金)2 クライストチャーチ

 2008年5月22日から6月7日まで、猫丸さん&森薫さんと英国旅行をした時の記録です。地味〜に続きます。

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 ボドリアン図書館を出て、時折ぽつぽつとにわか雨にふられたりしながら、オックスフォードの街を歩き、クライストチャーチに向かいます。帽子があると傘を開かなくていいなあ、というのを身体で学習しながら。今回はキャスケット帽を用意して行ったのですが、なかなかの活躍でした。

 オックスフォード大学というと、ひとつの独立した大学のことではなく、寮や教室やチャペルからなる「コレッジ」の集合体をさします。それぞれに歴史と個性のあるコレッジが、小さな街中にぎっしり建っていますが、半日ではとてもまわりきれないので、ひとつだけ見学することにしました。――あぁ、もう再訪したくなってます。


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 クライストチャーチは、十六世紀に建てられた、オックスフォード最大のコレッジだそうです。訪問者用の門をくぐるとすぐに、とても可愛らしい小さな庭がありました。そのたたずまいにぐっときて近づくと、戦没者追悼のためのお庭だったようでした。

 老若男女問わず、ひっきりなしに観光客がやってきてはチケットブースに列をなします。人気だな〜。

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 通路。

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 中庭。

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 たくさんのステンドグラスに囲まれたクライストチャーチ大聖堂に入って、しばし呆けます。大聖堂(Cathedral)と呼ばれてはいますが、とてもこぢんまりとしていて、街の礼拝堂と変わらないサイズです。私はキリスト者ではありませんが、こんなところで行われる礼拝にひっそり参列してみたいものです。

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 バーン=ジョーンズがまだ二十代だったころにデザインしたという窓(1858年)。オックスフォードの守護聖人、フライズワイドの伝説を描いています。素朴な船や波の描写、くっきりした、それでいて目に痛くない落ち着いた色合いに惹かれました。藍色が美しいです。

 写真がきれいに撮れなかったのですが、同じくバーン=ジョーンズのデザインで、アリスの姉エディス・リデルをモデルにした窓とか、テニエルによる『アリス』の挿絵をモチーフにした窓もあったようです。

 というわけで、クライストチャーチといえば『不思議の国のアリス』にとても縁の深いところ。構内のあれこれが作中に織り込まれています。ドジソン先生が図書館で仕事をしている時、窓の外の木にいつもアリスの猫ダイナがいつも寝そべっていて、そこからチェシャ猫のキャラクターが生まれた……云々、との解説をパンフレットで読んだので、ミーハーな気持ちで浮かれて探し回ったのですが、結局その木は見つからず。今度はもうちょっと下調べしておくことにします(やっぱりまた来る気)。

続きます。
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2008年07月02日

5月23日(金)1 ボドリアン図書館

 2008年5月22日から6月7日まで、猫丸さん&森薫さんと英国旅行をした時の記録です。そうとうのんびりペースですが、よろしければお付き合いください。

 オックスフォード市内に車で出発です。ちょうどいい駐車場がみつけられず右往左往するも、車窓から森さんが発見してくれてなんとかなりました。街中に入るときには、おおざっぱなものでも地図を持っていった方がよかったなあと反省。もっと小さい街だったら歩いても一周できて、駐車場もすぐ見つかるはずですし、大きい街だともとから用心して行くものです。中くらいのサイズが心理的に一番危険ですね。

 ツーリストインフォメーションに寄って街の地図を買い、道を聞いてボドリアン図書館へ。建物の最古の部分は十五世紀までさかのぼるというたいへん歴史のある図書館です。

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 入り口の前に立っているのがボドリーさん。……ではなくて、三代ペンブローク伯爵ウィリアム・ハーバート。17世紀にオックスフォード大学の学長だった人。へぇ〜。

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 一階、入ってすぐの部分はThe Divinity Schoolといって、初めて口答試験が行われた場所。

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 大きな窓で、たっぷり光が入ります。

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 天井ラヴ。(紋章、紋章、イニシャル、紋章……垂れ下がったペンダントに人物像が入っています)

 素敵な年配の女性ガイドさんが現地申し込みツアーを案内してくれました。ガイドさんのお話は英語なので、わからないところもいっぱいあったのですが、つかめた範囲だけでもたいへん面白かったです。

 地元の砂岩を使っているので特徴のある色合いをしているとか。綺麗な天井ですが、もっと荘厳な高さにするつもりだったところ、実は普通のゴシック様式よりだいぶ天井が低いんだとか(おそらく予算が足りなかったためだろうとのこと。あとで別の建物と比較してみて納得できました)。改装したあとの細工がちょっと粗いとか。オックスフォード大学をあらわす本の紋章、パトロンの紋章が入っているとか……。ご自分がガイドする建物の美しさを誇りに思い、なおかつ愛あふれるこまかい「ツッコミ」を入れている感じの説明が楽しかったです。

 奥に進んだ部分はConvocation Houseといって、議会席が並んでおり、大学の評議会に今も使われています。清教徒革命の時とロンドンがペストに見舞われた時、議会と法廷がここに移ってきたことがあるとか。『リバティーン』の時代ですね。へぇ〜。

 上の階はグロスター公爵ハンフリーが創設し、トーマス・ボドリーが改装した16〜17世紀の図書室。ここは本当にすばらしかった。大きなステンドグラス、古い木の本棚、数百年前の革装の本が並んでいます。

 階上に上がる前に踊り場で立ち止まったガイドさんは、実際に研究している人たちがいるので静かにしてね、絶対にしゃべってはいけませんよ、と釘をさしました。研究者は見学者が嫌いですから。「中でも特にガイドが嫌いなの」と笑いをとります。

 現在では7百万冊以上の蔵書を誇るという図書館ですが、ここでは伝統的に閲覧のみで本の貸し出しを行いません。特に昔は人工の照明がなかったので、日が高い時間帯だけ、窓際に立って自然光で読むしかなかったんだとか。それは国王でも例外ではなく、奥の方に並んだ閲覧ブースのうち、スクリーンのある専用の席で静かに読書したそうです。今ではそうした特権的な使われ方はしていませんが、閉じられたブースの中をのぞくとどんな空気が流れているのか、とっても気になります。

 ここは初のギャラリー式書架を持つ図書館でもあります。オール・ソウルズ・コレッジにも十八世紀の美しいギャラリーがあって名高いそうで、時間があれば見たかった。「でも、こちらの方が古いんですよ」とガイドさんはまたも胸を張ります。

 来てから知ったのですが、ここには「オピー・コレクション」という研究者夫妻による子ども本のコレクションが寄贈されています。

http://www.maruzen.co.jp/home/irn/book/micro/opie_collection.html

 マイクロ化されているんですね〜。希少本の現物もいつか拝みたいものです。

 続きます。
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2008年06月14日

2008年初夏の旅行 5月22日(木)成田〜ヒースロー〜オックスフォード

 2008年5月22日から6月6日まで、猫丸さん&森薫さんと英国旅行をした時の記録です。

 今回は森さんが細かい旅行記をつけているので、私のほうでは、森さんからパスが回ってきたような気がするところを(テレパシー的に)補足&特に記憶に残ったことを書いていこうかな、という心づもりです。

 5月22日(木)成田〜ヒースロー〜オックスフォード

 成田からロンドン・ヒースローへ。飛行機が動き出すなり森さんがスケッチブックを取り出し絵を描き始めます。いい滑り出し。

 機内で映画を1本鑑賞。『St.Trinians』

 http://www.sttriniansmovie.co.uk/

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『St. Trinians [Soundtrack]』


  Sttriniansbook
Ronald Searle『St. Trinians(Penguin Modern Classics)』


 オリヴァー・パーカー監督&ルパート・エヴェレット&コリン・ファースが出演している、2007年度の作品。『理想の結婚』『アーネスト式プロポーズ』で、オスカー・ワイルドのヴィクトリアン・ラブコメ戯曲を小粋に映像化した三人が、三たび結集――ということになりますが、今度のコレは純然たるティーン女子向け映画ですね。原作はロアルド・シールによるマンガ。

 女装のルパート(なぜだか本編中では誰も突っ込まない)が校長をつとめるアナーキーな女子高が、莫大な借金により閉鎖の危機にみまわれるものの、個性的すぎる女子たちが団結し、無茶な手段で解決をもくろむ。女の子が活き活きしていてかわいい、笑える、音楽たのしい、他愛もないけど面白い、そんな映画です。テーマ曲の『Trouble』も懐かしい。日本語版で見たいな〜。スティーヴン・フライが本人役(クイズマスター)で出ていて、相変わらずものすごくご本人でした。

 あとはほとんど寝てました。

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 今回は初日にロンドンへは寄らず、ヒースローからレンタカーでオックスフォードへ移動することにしました。

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 ネットで予約しておいたB&Bに到着。中心部からちょっと離れてますが、静かでキレイでなかなかよいとこです。

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 夕食は近くのパブで。店の前に地元のお兄ちゃんたちがたむろしていて、入ろうとしたら「ニーハオー! ニーハオー!」と呼ばれます。「違う、コンニチワだよ!」と返事して通り抜けたら、帰る時には「コンニチワー! コンニチワー!」になってました。覚えましたか。でもそこはサヨウナラだ。

 パブではちょうど「クイズナイト」をやっていました。テーブルごとに参加費を払い、思い思いのグループ名を名乗って司会者の出すクイズに答えていきます。聴き取れる範囲で観戦していましたが、「UKでもっともありふれたパブの名前は?」「飛行機が落ちたときに取り出して使われるブラックボックスのレコーダーの色は?」などのほか、大学町らしく文学・小説・アート関係の問題が振られてました。

 ちなみに上記の答えは……「レッドライオン」と「黒」。引っ掛けでした(笑)。
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2008年06月07日

かえってきました(また)

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 パディントンのパブ、ザ・ヴィクトリア

 年に二度も行くのかよ! と各方面から突っ込まれそうで、ご報告しそびれておりました。猫丸さん森薫さんと同行の英国旅行より、無事戻っております。初めは十日程度のつもりだったのですが、別件の取材が入ったため後ろに数日延長し、あわせて約二週間の滞在となりました。

 まず各地に点在する邸宅、修道院、城、教会、ヴィクトリア時代の生活に関する展示がある博物館、メイドの服を着たウェイトレスさんがいるティールーム(笑)などをピックアップし、それぞれの開館日・時間とにらめっこしながら、猫丸さんが新兵器のカーナビソフトを駆使してルートを組んでくれました。すると、何かこう現地の人から見ても不思議な感じの旅程が出来上がったらしく、宿の方に「なんでそんなアンユージュアルなところに? 観光は?」などと聞かれる始末。えっとそのわたしたち百年前のユージュアルなものが好きなんです。

 宿泊地

・オックスフォード 2泊
・ブリッジノース 2泊
・ヘレフォード 1泊
・チェプストウ(南ウェールズ) 1泊
・リュートレンチャード(ダートムア) 1泊
・チェルトナム 1泊
・ロンドン 3泊
・イーストボーン 2泊
・ウィンザー 1泊


 他に、昼間に滞在したり、ちょっとだけ立ち寄った街もありますが、だいたいこんな感じ。泊まる場所は主に地元観光局のサイトで調べて決めました。どこもそれぞれに趣があって素敵な街でしたよ。

 訪れたポイントのレポートもいずれ書きたいと思います。がんばります。できるだけ。

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 テレビアニメ『英國戀物語エマ』で、主人公のエマが勤めるメルダース邸のモデルになったシャグバラ(の使用人区画入口)。

 2006年、小林監督、池田眞美子さん、小道具・美術の宮川さんと一緒に取材したこの邸宅へ、今度は森さん&猫丸さんと再訪しました。前に一度行ったところなので発見は少ないかな、などと思いきや、パンフレットが新しくなっていたり、ガーデンのショップが充実していたり、「貴方や貴方のご家族が家事使用人だった方はお話を聞かせてください」というアンケート企画が紹介されていたりで、今回も面白かったです。

 他にも、新しい部屋が公開されたばかりだとか、改装・復元作業が現在進行中だという邸宅がいくつも。これだから二度三度と行きたくなってしまうんですよね〜。奥が深い、というか泥沼かなあ(笑)。

 いっぱいいっぱいの日程をこなしてきて、今はちょっと風邪気味です。週明けまでには治さなくては……。
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2008年05月04日

英国猫

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 ロンドンの北へ少し出たところにある、ハムステッドの住宅街で見かけたにゃんこさん。

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 たいへん愛想よく、小雨のそぼ降る中で、ごろごろいいつつなでさせてくれた美人さんでした。

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 (ノドの鳴る音は万国共通なのですねぇ)
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2008年04月29日

かえりました

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 4/23まではお仕事の関係で団体行動、24日以降の4日間は初めての英国ひとり旅を敢行してまいりました。単独行の利点難点といたしましては……。

 ◎予定通りいかなかったり、問題が発生しても、困るのは自分だけなのが気楽。

 ×ごはんが食べきれない。ほかの人とシェアできないためいろんな種類を同時に楽しむことができない。

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 後半日程は、南部の小さな村ライに2連泊です。中世の建物が残る石畳の坂をテクテクのぼり、羊でいっぱいの草地をがんがんウォーキングしてきました。時々雨は降ったもののおおむね天候にめぐまれ、とっても景色が良くて気持ちが良かったです。

 ライは、ロンドンから鉄道を乗り換えて2時間かからないぐらいの便利なところにありますが、景観から雰囲気からがらりと変わるので、ちょっと遠出してみたい気分の時にぴったりの街です。折を見て撮ってきた写真をご紹介していきたいと思います。
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2008年04月24日

旅先から更新

旅先から更新を試みています。
日本語変換サイトを使ってみています。

http://www.sumibi.org/

しばらく取材であちこちまわっていたのですが
これから少しひとり旅です。どきどき。

成果のほどは、またいつか。
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2007年08月23日

10/3〜4 再びパディントン

 2005年秋の英国旅行の記録です。

 ★ここ★から始まってます。左の「カテゴリ」内の「旅行」、または記事の末尾の「旅行」というタグをクリックすると、一覧で見ることができます。

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 最後の夜です。たしかパディントンのパブ『ザ・ヴィクトリア』で食事をしたはずです。その名のとおり、看板は堂々たるヴィクトリア女王の肖像で、内装も全体的に、19世紀の中流階級の居間みたいな感じ。壁紙に暖炉に、木彫り細工のカウンター、ぼんやりオレンジ色に光るランプ……。もったりと暖かな雰囲気で、席に座ると根が生えそうというか、なんだかとっても落ち着きます。料理の方もなかなか。

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 ヒースローから成田へ無事帰りました。帰国便のおともにクリスプス(ポテトチップ)。飛行機の中でパンパンに……(笑)。

 今回の旅のまとめ(反省点)としましては、

 ・毎日移動するのは疲れるからやめたほうがいいです。

 ・ヨークは見足りなかった! 見どころがありすぎるので、まる一日以上滞在したほうがよかったです。国立鉄道博物館にも行けなかったし(結局その後2回も再訪しているのですが、まだぜんぜん飽きてません)。

 ・ロンドンでは気に入った同じ宿を飛び石でとり、荷物を預けて地方に出かけられるようにすると便利。

 ・地方のB&Bは(おおむね)すばらしい。

 2005年の旅行記はこれにておしまいです。また次のネタにて。

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2007年06月29日

10/3(月)ヨーク カッスルミュージアム

 2005年秋の英国旅行の記録です。

 ★ここ★から始まってます。左の「カテゴリ」内の「旅行」、または記事の末尾の「旅行」というタグをクリックすると、一覧で見ることができます。

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 朝食はまずまずでした。……って、田舎のB&Bに慣れてすっかりぜいたくになってきている自分に気づきます。

 チェックアウトし、荷物を預けて、街をぶらぶらしながらヨーク・カッスルミュージアムへ。

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 19世紀〜20世紀初頭の家庭生活に関する品々がものすごくたくさん集められた博物館です。ヴィクトリア時代とエドワード時代の街並みをそれぞれ再現した区画もあります。コンセプトはロンドン博物館に似ていますが、歴史や社会風俗的な重要度よりも、家庭生活の変遷に特に力点がおかれているため、違った視点で楽しめます。歴史順に配置したキッチンレンジのコレクションが圧巻でした。中の写真撮影は自由です。

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 ハウスメイド箱とか

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 洗濯がまとか

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 お葬式関係の請求書類

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 白いウェディングドレスとか

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 白くないウェディングドレスとか(喪中だから)

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 暖炉に調理器具がついているもの。真ん中にはトースト焼き、左に湯沸し。別の屋敷では使用人ホールに設置されていました

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 教育的に正しい子どものおもちゃ「ノアの方舟」

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 ハンサム・キャブ!

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 エドワーディアン・ストリートには自動車も

 古城の一部を利用しているようで、死刑囚がいた牢屋などがそのまま保存されています。もちろん中には誰もいなくてガランとしており、残酷な写真だの蝋人形だのが置いてあるわけでもないのですが、同行者はあとから「とにかくものすごく怖かった。一刻も早く出たかった」と言ってました。(怖いので写真はありません)

 すぐ近くにあるフェアファックス・ハウスも見学しました。富裕な商人のタウンハウスを再現したもの。復元度はそこそこですが、オリジナルの家具や扇の写真集を発売していて、こちらが非常にいい感じでした。

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 ヨークシャー一帯を牛耳るベティーズ・ティールームでアフタヌーンティー。キュウリのサンドイッチが美味しかったです。お茶はティーバッグですが、味が気に入ったのでひと箱買って帰りました。

 ヨークの街は大好きです。古くゆがんだハーフティンバーや石造りの建物、堂々とした大聖堂、ところどころに残る城壁あと、ウーズ川……。街全体をつつむ雰囲気がとても気に入り、リピーターと化してしまいました。

 鉄道に乗ってロンドンに戻りました。

 続きます。
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2007年06月25日

10/2(日)のつづき ヨーク

 2005年秋の英国旅行の記録です。

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 リーズからヨークの駅まではだいたい30分ぐらいかかったでしょうか。古い城砦の残る歴史ある街で、道をちょっと歩くだけで先の角から何か現れそうな、良い雰囲気です。

 ウーズ川ぞいの遊歩道をテクテク歩き、橋を渡って徒歩数分。ロングフィールド・テラスというところにずらりと並んだB&Bの一つに宿泊しました。清潔で、設備はまあまあ。

 日は暮れかけていましたが、荷物を置いて、市のまんなかのヨーク・ミンスター(大聖堂)を見に行きました。ライトアップされた壁の細工が、壮麗そのものでたいへんすばらしかった。いつか中にも入りたいです。

 夕食は宿のおじさんに聞いた近くのパブ「エキシビション」で。「プーブ、プーブ」っていうから、最初、なんのことだかわかりませんでしたが、はっと気づきます。パブのことかー!! こ、これがひょっとして、あの、いわゆる、『秘密の花園』とかに出てくるヨークシャーなまりですか?

 ……えっと、この日の夜はカメラを持ち出し忘れたか、電池が切れたか、自分のエネルギー切れだったか何かみたいで、ぜんぜん写真がなくてすみません。

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 ヨークの街のタウンハウス通りを裏側から撮ったもの。こんな風になってたんですねー。

 続きます。
http://writingto.seesaa.net/article/45919069.html
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2007年05月09日

10/2(日)ハワース〜リーズ ハーウッドハウス

2005年秋の英国旅行の記録です。

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 豚の血のソーセージ(ブラックプディング)つきのヨークシャー・ブレックファスト。そこはかとなくオシャレで小ぎれいです。

 ハワースをあとにし、リーズを経由してヨークへ行きます。が、交通機関の目算違いが続出して、トラブルの多かった日でした。まずリーズに行くと思っていた路線の行き先が違っていて、何もない途中の駅で1時間くらいロス……。寒いしちょっとつらかった……。

 リーズの駅のレフト・バゲッジで荷物を預け、「ハーウッドハウス」行きのバス停を探します。が、一向に見つからず。駅の中の案内所で聞くと、バスターミナルが駅からちょっと離れたところにあると判明しました。

 英国では、交通機関の配置パターンが日本とまったく違うので、戸惑うこともしばしばです。日曜日のためあんまり活気のない大通りをとぼとぼと歩いて、バスターミナルへ。

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おやつと水を買って、ローカルバスでハーウッドハウスへ向かいます。

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 立派なゲートから母屋までが遠いこと遠いこと! 1キロ以上はあったかと……。

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 ハーウッドハウスは、もう、これぞマナーハウス! という感じの大領地、大邸宅でした。新古典様式の建物に、あとからゴシック様式の上階をつけくわえ、改装したもの。詳しい来歴は★公式サイト★でどうぞ。20世紀に入ってから、王室からプリンセス・メアリー(ジョージ五世の娘、エリザベス二世現女王のおばさん)が降嫁したことでも知られ、ゆかりの品も集められています。

 メイン階のインテリアはたいへん壮麗。趣向を凝らした「ドローイングルーム」や「ライブラリー」がいくつもいくつもつらなり、だんだん頭がぼうっとしてきます。ふつうに日常生活を送る家じゃないですよ。屋敷全体がパーティールームなんだなぁという感じを受けました。上の階には寝室があると思いますが、そちらには入れず残念でした。

 使用人区画は地下にありました。玄関から右側の脇にひっそりとある通用口から入ります。大きなレンジのあるキッチン、野菜洗い室、使用人ホール、段差のある廊下に飾られた使用人呼び出しベルなどが見どころです。ベルを押すこともできます。すごーくうるさくて、みんな振り返ります(笑)。

 キッチンの奥に小さな階段があって、上の階のダイニングルームに直結していました。しかしその位置には、比較的新しい年代に移されたようです。カントリーハウスはかつて、働く人の利便よりも、生活臭を排除したいという主人たちの都合を優先して構築するものでした。それが時代が新しくなるにつれ、メイドの手と足に頼るばかりの環境から、より使いやすい構造に作りかえられていきました。キッチンからダイニングルームへ料理を運ぶ時のロスを減らしたのですね。

 使用人ホールは昔のままではないのですが、フットマンやメイドの衣裳が用意されていて、着て写真を撮ることもできます。帳簿やベル、ガーデナーの庭仕事道具、食器類などの生活用品がたくさん集められていて、見ごたえがありました。周囲の壁には当時の写真と一緒に、ごく普通の使用人の私生活に関する記事が展示されていました。たとえば……。

 ・使用人たちはダンスに出掛けるのを楽しみにしており、隣のお屋敷で働く男の子と女の子がそこで出会い、結婚することがよくあった。とか。

 ・黒人の男性使用人が活躍していたことがある。とか。

 ・若いスカラリーメイドがダンスに行って門限を破り、窓から入ろうとしたら、部屋を間違えて執事が入浴中のバスルームに侵入してしまった。とか。

 最後の談話は、探してみたら★もっと詳しい記事が見つかりました。★ハーウッドハウスで働いていた元スカラリーメイドの方が新聞のインタビューに応じたもの。当時92歳。

 ★ダンスにおめかしスカラリーメイドさん。★かわいい。かわいい。

 誰かハーウッドハウス年代記(使用人編)とか出してくれないかなあ!


 たっぷり堪能して、バスで駅にもどり、荷物を回収してヨークへ向かいます。

 続きます。
http://writingto.seesaa.net/article/45878903.html
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2007年04月15日

10/1(土)その2 ハワース

 2005年秋の英国旅行の記録です。

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 グレート・ノース・イースタン線でまずリーズへ向かいます。そこで乗り換えてキースリーへ。さらに保存鉄道に乗ってハワースへ。

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 蒸気機関車で、ブロンテ姉妹のふるさと(そして『英國戀物語エマ 第二幕』でエマが働くことになる)ハワースに向かいます。駅を降りてから道を間違えてしまい、同行者には重い荷物を抱えて未舗装の急斜面を上らせてしまいました。ごめん。

 宿に到着。2人で70ポンドと、B&Bにしては少しお高めですが、その価格だけあって綺麗な宿でした。

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 フォーポスター(4つ足)ベッドの上にはライラック色のテディベア。いや〜、可愛いんですが、なんか気恥ずかしいです。バーもあるし、若くて可愛いウェイトレスさんがぞろぞろいるし、朝食も今回で一番凝ってたかも。ただ、★壁は薄い(笑)★

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 宿に荷物を置いて、夕暮れのハワースを散歩。なかなか風情がありました。石畳の坂道ぞいには、女の子ごのみのお店がぎっしり並んでいます。ぬいぐるみとかアンティークとか、雑貨屋、ティールーム、児童書や絵本に強い古書店、ポプリ・石鹸・レースとか。

 ちなみに、ハワースのメインストリートの、坂を上りきったところにある「Apothecary」というお店は『MANOR HOUSE』特典DVDの『マナーハウスガイド』にがっつり登場していますよ。

 http://www.manorhouse.jp/cat7/post_3.html

 この街はブロンテ姉妹の時代以来の観光地だそう。ロマンス好きな女の子たちを100年以上も受け入れてきたんでしょうね。

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 フットパスを少し歩いて羊にあいさつ。

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 振り返ると、ちょうど虹が消えかかるところでした。

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 夜は坂を下りた端っこのパブでフィッシュ&チップス。おいしかった。

 続きます。
http://writingto.seesaa.net/article/41209038.html


 追記、謝辞。
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2007年04月07日

10/1(土)その1 ポートベロロードのマーケット

 超ノロノロ更新ですみません。2005年秋の英国旅行の記録です。

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 さて、南の方のサセックス&ワイト島からいったんロンドンにもどり、こんどは北に向かいます。この中間日のホテルをノッティングヒルにしたのは、土曜日のポートベロマーケットを朝から見たかったためでした。まだ暗いうちからいさんで出かけて行ったのですが、早すぎたみたいでどこも開いてませんでした。よく考えれば当たり前です(笑)。

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 ノッティングヒルでの宿は、通りぞいにずらっと連なったタウンハウスがそれぞれホテルに改装されているホテル街にあったのですが、その一つの前を通りかかった時、きれいな赤猫が優雅に寝そべっているのを見かけました。あとから調べたところ「看板猫のいる宿」として有名なお宿だったようです。いつか泊まってみたいなあ。

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 さて、一度戻って出直して、ポートベロロードのマーケットへ。ここはガイドブックにもかならず載っている有名なアンティーク市です。見て回るだけでたいへん楽しい! ものすごい流暢な日本語をしゃべるお兄さんのいるアンティークレース屋さんとか、日本人の女の子が出している屋台もありました(……写真は野菜の屋台ですが)。

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 映画『ノッティングヒルの恋人』に出てくるヒュー・グラントの家(青いドアの家)にあやかったおみやげ&コーヒースタンドの「ブルー・ドア」。あやかり店だけあってちょっとお高め(笑)。

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 ここでの目的は、「使用済みの郵便物」をゲットすること。探し回って見つけました。絵ハガキ1枚50ペンス。さすがにヴィクトリア時代のものはありませんでした。きっと状態のよい古いものはマニアなショップやオークション会場にあるのでしょう。

 やや駆け足で端から端まで見てまわり、ホテルの朝食にも間に合って、チェックアウトしたのは9時ごろだったかな。

 北へ向かうべく、地下鉄でキングズクロス駅へ行きます。ここでトラブル発生。改修工事中で地下鉄の北部分がほとんど不通だったのです。駅員のお兄さんに聞いて、南を遠回りして駅へつきました。滑り込みでなんとか予定の鉄道にセーフ。

 続きます。
http://writingto.seesaa.net/article/38853843.html

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2006年07月29日

9/30(金) ロンドン ウォレス・コレクション

 2005年秋の英国旅行の記録です。
 これまでの日程は★ここ★からはじまってます。

 リゾート地であるワイト島には、良い宿や素敵なティールームがたくさんあるようなので、ここもまたいつか来たいです。名残を惜しみつつフェリーでポーツマスへ、そこから鉄道でロンドンへ帰ります。

 ウォータールー駅に到着、地下鉄に乗り換えてこの日はノッティングヒルゲイト泊です。チェックイン時に「ツインですね?」とフロントでも確認されたのに、ドアを開けたらベッドが4つも並んでいて、なんだかツボに入って大笑いしてしまいました。ロンドンの宿は総じてとてもせまいので、2人でクワッド占有というのは、たいへん広々として嬉しいことです。お茶セットあり、シャワーあり、バスタブなしでツイン80ポンドぐらいだったかな。私たちの予算ではちょっとお高め。

 さっそく荷物を置いて、地下鉄でベイカーストリート駅へ。ここからテクテク歩いて南へ向かいます。

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 途中で見かけたカフェに入り、野菜スープセットでお茶休憩などはさんだりしつつ。イギリス料理は、言われるほどには酷くない(イモ好きなので)と思ってはいるのですが、このスープはものすごいまずかった。ダシが出てないんですよ、ダシが。

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 気を取り直してさらに南下していきます。この日の目的地は、「ウォレス・コレクション」です。名前から想像されるとおり、ウォレスさんという個人が集めた品々を展示する美術館です。もともと個人の収集品とはいえ、中身は質量ともにたいへんなもの。

 見たかったのは、どちらかといえば展示品よりも建物です。ハートフォード・ハウスといって、もとは貴族のお屋敷。内装は展示用にかなり改装されてしまっていて残念でしたが、外観はいい感じです。ちなみに『英國戀物語エマ』にも、ちょっと似たお屋敷が登場しています。

 ヒストリーページに、コレクションの来歴がいろいろと書いてありました。帰ってきてから読みましたが、なかなか興味深いです。ちょっと脱線しますが、備忘のためにまとめてみます。

長いので追記にします。
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2006年07月11日

9/29(木) オズボーンハウス(2)

 オズボーンハウスの、かつての使用人区画はまったく見られないのですが、ショップで見つけた本がその代わりになりました。Kathy Barter『Serving Life at Osborne 1955-2000』というペーパーバックの本。

 1955年にオズボーンハウスのハウスメイドになったキャシー・バーターさんが、長年勤め上げ、2000年に引退するまでの思い出をつづった回想録です。ハウスメイドからパーラーメイドになり、それから再びハウスメイドになり、同じところで同じ仕事をしていながら、いつしか「メイドやサーバントとは呼ばれなくなり、ドメスティック・スタッフになる」までを書いています。
 一応、時間軸順になってはいるのですが、頭に浮かんだ順に書いているのでしょうか、話が前後しがちだったり、具体的な組織構造の記述がないため、今まで見たこともない役職名が多発して混乱したりと、ちょっと読みこなすのが難しい部分はあります。ただ文章自体は平易で、そしてとても興味深い内容でした。第二次世界大戦後という時代性と、あとは著者の方の明るくて前向きな性格も多分に影響しているのでしょう。一緒に働いていたメイドや、庭で働くおじさん、上司など、たくさんの同僚たちへの視線が、温かく、愛に満ちています。そして、ルールに縛られた共同生活を単なる抑圧とは思わず、不自由だった思い出を笑い飛ばすようなユーモラスな語り口です。なんかこう、女子寮・女子高ノリといいますか……。以下、ちょっとだけ抄訳・引用です。

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 外出したら、夜は10時までに帰ってこなければなりません。もう真っ暗です。門から入り口までが遠いので、すごくこわかったことを覚えています。庭には天使の像が2体あって、私たちを見下ろしているのです。あの天使像は、一度は場所を移したけれど、今は庭に舞い戻ってきています。詰所を通り過ぎる時、夜警のおじさんが「グッド・イヴニング!」と声をかけてくれると、とても心強く感じたものです。
(写真:オズボーンハウスの天使像)



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 上司のミセス・エドモンドスンは、ジョーという名の黒猫を飼っていて、私はよくその世話を頼まれました。ある日、ジョーが木に登って降りてこないので、降りられなくなったと思ったミセス・エドモンドスンは、庭働きのおじさんにはしごを持ってこさせました。それで彼に任せるかと思いきや、彼女は「ジョーが怖がるといけないから」と自分で上っていったのです。そこへ、裏口から私の同僚メイドのミュリエルが出てきてその様子に気がつき、言いました。「降りなさい、今すぐ。ミセス・エドモンドスン!(命令口調)」……エドモンドスン夫人はおとなしく従いました。見ていた私は、彼女がボスで、ミュリエルはたんなるメイドなのに、そのことをすっかり忘れてしまっている自分に気づきました。そしてジョーは、結局自分で降りたのでした。
(写真:オズボーンハウスの庭にいた猫)


 こんな調子のエピソードがいろいろと。建物の見ごたえはもう一つでしたが、見てきた場所を舞台にした生活の断片を読むと面白く思えてきます。Durber Wingは新人ハウスメイドの訓練区画だったとか。

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 最後に、前庭のウォールド・ガーデンをのぞきました。秋なのに、かなり花が咲いていて綺麗でした。

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 さて、帰り、今度は失敗しないぞとバスの時刻を調べたはいいけれど、今度はバス自体が大幅に遅れて到着。うまくいかないものです。バスを待つ間、隣に座ったおばさんに話しかけられ、ちょっぴり世間話など。この日はレストランを探すのが面倒になり、スーパーでいろいろ買って宿で食べました。

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 料理用の青リンゴ。買ってません。

 まだ途中なのですが、続きは帰ってきてからアップいたします。すみません、ではまた。

 (7/29)続きをアップしました。→http://writingto.seesaa.net/article/21614662.html
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2006年07月10日

9/29(木) ワイト島〜オズボーンハウス(1)

 2005年秋の英国旅行の記録です。

 この日はワイト島という小さな島に1泊です。
 チチェスターの宿をチェックアウトして、まずバスステーションまでちょっと長めの距離を歩き、フェリー料金込みのチケットを運転手さんから買って、まずポーツマスの港に向かいます。ポーツマスからフェリーに乗って、ほんの15分ほどで島に到着。
 鉄道で一駅、ライドという町で降ります。ここのツーリストインフォメーションの女性にはすごくお世話になりました。宿の場所、目的地への行き方からバスの時刻、コインランドリーやスーパーの場所まで親切に教えていただいて助かりました。下調べはしていても、ガイドブックやネットの情報が大ざっぱだったり、自分がメモを書き写し間違えたり(……。)することも多いので、なるべく現地で確認したほうがいいです。(いや、しても間違えるんですけどね……。)

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 まず駅前から宿に電話して、荷物を置かせてもらいに行きます。ここの奥さんもとっても親切。着くなりお茶を入れていただいて、観光地の見どころを教えてもらって、ガイドブックも貸してもらって、いたれりつくせり。部屋も広く、共同だけどバスもたいへん清潔で、動物のフィギュアがいっぱい飾ってあったりして可愛らしい。◇4つの宿です。

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 この島に来た目的は、ヴィクトリア女王の冬の別荘、オズボーンハウスです(写真、ナナメになっててすみません……)ちなみに、夏の別荘はスコットランド。ただ、使用人区画は見られず、屋敷の外観は19世紀製だけあってなんだか大味で、母屋の建物本体は少ーし、いまひとつだったかも。

 インド風味が炸裂した「Durber Wing」という区画は、凝った意匠に圧倒されました。女王の私室とアルバート殿下の私室で占められたフロアに行くと、女王のエリアがとても大きくて、反対に殿下の部屋はちんまりしていてなんだか微笑みを誘われます。それから、子供部屋のカーテンがとても可愛らしかったですね。順路の途中で、豪華な内装と正反対に殺風景な使用人用裏階段らしきものを通ることもできます。

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 オズボーンハウスの庭を2キロぐらい歩いていくと、「スイスコテージ」という小さなロッジがあります。どちらかというと本体よりこちらの方が気に入りました。

 ここは女王の子供たち専用の離れで、王子や王女が家政の経営を学ぶために用意されたものだったということです。1階には本物の1/3ぐらい? のサイズのキッチンレンジ(料理もできたようです)がすえつけられています。2階にはものすごく精巧なグローサリーショップのドールハウスや、ブルーアンドホワイトのミニチュア茶器や食器がずらっと並んでいます。

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 庭仕事用の子供サイズ手押し車がいっぱい置いてあります(ヴィクトリア女王は子沢山だったので……)。一つ一つにプリンス、プリンセスの名前入り。子供用にスケールダウンされたドメスティックな世界が広がっていました。

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 女王が海水浴に使ったかもしれない「水浴機械」も展示されています。

 続きます。→http://writingto.seesaa.net/article/20278482.html
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