2011年03月04日

『図説 英国メイドの日常』河出書房新社より2011年4月刊行。

 公式サイトに情報が載りました。

http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309761640

図説 英国メイドの日常
村上 リコ 著
定価1,890円(本体1,800円)
ISBN 978-4-309-76164-0 ● Cコード 0339


 河出書房新社から2011年4月に発売になります。発売日はサイトでは19日となっていますが、書店によって変動はあると思います。総ページ数は128ページより少し増やしてもらってお値段据え置きです。「ふくろうの本/世界の文化」「図説シリーズ」の一冊に加わります。

 2003年の『エマ ヴィクトリアンガイド』以降、アニメーション作品の考証、現地取材、ガイド記事執筆など、英国・ヴィクトリア時代に関する仕事をしてきたなかで、19世紀後半から20世紀の初めにかけて、家事使用人をしていた人たちの自伝や談話をいろいろと読んできました。雑誌の挿絵や写真など、ヴィジュアルな資料も探究してきました。そうした蓄積を、一冊の本のかたちにまとめる機会をいただきました。

 メイドとは、百年くらい昔の英国において、働く女性のなかの最大多数派でした。とてもありふれた存在であり、いうなれば、いちばん平凡な日々を送る人たちでした。だからといって、その毎日が語られる価値のないものだったとは思いません。むしろ、知れば知るほど下世話な興味をそそられ、共感をさそわれ、ときには反発を感じ、同情を禁じえず、そして、彼女たちの言葉を通して知る当時の社会のかたちに目を開かされることの連続です。

 同時代の証言と図像を数多く参照して、メイドの「日常」「素顔」「ほんとうの気持ち」に迫ることを主眼としました。同性としての視点を大切に、徹頭徹尾「下から目線」で、彼女たちの就職、仕事、人間関係、お金、休日、恋や結婚――そして喜び、悲しみ、怒りについて考ています。

 森薫さんにこの本を書くことが決まったという報告をしたとき、すごく喜んでもらえて、「可愛い絵をいっぱい載せて!」と頼まれました。うん。それはもうがんばりました。なるべく珍しい図版が多くなるように、そして同じようなテーマを説明するのに可愛い絵とそうでもない絵があったら、自分なりに可愛い方や面白い方を選んで(笑)載せるようにしました。

 「あとがき」は昨日送信して、「書く作業」は終わりです。これから届く校正をもう一度見たら、ほんとうに手をはなれます。……はなれてしまいます。そして、本が店頭に並ぶときまで、最高のものが書けたような――いやとんでもなく駄目な仕事をやらかしてしまったような――やりきったような――やり残したことがあるような――そんな、ハイとローの波に翻弄されながら審判を待つ日々に入ります。何度経験しても、どうにも慣れることができません。ああ。逃亡したい。英国に。

 出版まで1か月と少し。校正が終わったら、これまでの経緯や内容について少しずつ発信していきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
posted by rico at 13:23| 仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする