2008年07月14日

5月23日(金)3 ブレナム・パレス

 2008年5月22日から6月7日まで、猫丸さん&森薫さんと英国旅行をした時の記録です。

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 タウンホールの前に、なにやらテレビの中継車が集まってるのを横目に、オックスフォードの街から外へ車で移動します。

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 ブレナム宮殿です。世界遺産です。王室所有ではないのに「宮殿」の名がついてしまったくらいですから、とにかく大きくて壮麗な邸宅です。頭の中で、十九世紀にヴィクトリア女王の離宮として建てられたオズボーン・ハウスと比較してみると、歴史があるぶんこちらの方がゴージャスに思えます。

 十八世紀初頭、フランスとの戦争で功績をあげたモールバラ公爵に、アン女王が所領を譲り、王室負担で建物まで建ててあげたというのが起源です。いや、こんなすごいものポンとあげちゃうなんて……と呆然としてしまいますが、それは当時、公爵夫人のサラが女王の大のお気に入りだったという事情から。

 中の写真はとれなかったのですが、それにしてもグレートホールときたら、たいへんな威容でした。今までに訪問した邸宅の中でも群を抜いた天井の高さ。ライブラリーにいたってはもう、どこまでも果てしなく長いものですから、端から端まで歩いているだけでなんだかハイになってきて、笑いがこみあげました。生活感がないにもほどがあります。

 華麗な表面の陰に隠れた部分は(使用人区画なども)あまり公開されていなかったのですが、かわりにソフト的な資料で補うようなつくりになっていました。ここで暮らしていた家族をたどる「語られざる歴史」ガイドツアーや、夏季限定で、家事使用人に扮したガイドさんが語るツアーなどを催しています。図書室の一角には貴族・王家の宮廷儀礼用衣装を展示してあって、中には、色とりどりの従僕や御者のお仕着せもありました。

  scrapbook
Jeri Bapasola『Household Matters - Domestic Service at Blenheim Palace』


 こんなパンフレットも作られています。使用人区画の間取り、生活用具、執事や家政婦のお給料など、二百年間の家庭生活の歴史をコンパクトにまとめたもの。目に楽しいカラーヴィジュアルがいっぱいで、たいへんよい本です。ものすごいお金持ちのアメリカ娘の奥さんをもらったので、その財産のパワーで、1896年までには早くも電気と電話が敷設されていたとか。そのためのおかかえ電気技師はもちろん、当時最新型の蒸気消防車を擁する私設の消防隊も持っていたとか。興味深い情報が載っています。

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 母屋の外側に付随したイタリア式庭園。うっかりすると遭難しそうなほど広い敷地には、薔薇園、バタフライハウス、メイズ、屋台のテントやミニアトラクション群などが点在しています。歩いて回ったら一日ではきかない感じ。

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 ミニ列車「サー・ウィンストン・チャーチル号」に乗り込み、母屋からはなれたところにあるメイズと展示物を見に行きます。園丁の道具や部屋を再現した一角が、なかなかの見ごたえでした。

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 ヘッド・ガーデナーの仕事部屋。作物を植える計画を立てたり、予算を管理したり、部下に指令を出したりしていました。

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 ガーデナー見習いのベッド。簡素です。温室のすぐ隣のこのような部屋に住み込んで、夜の間も作物のためのボイラーを見張っていました。

 展示の説明によると、ガーデナーの下働きは「ボシー・ボーイ」とも呼ばれていました。辞書をひくと、Bothyとは「農夫の住む小屋」とあります。このような邸宅のガーデナーが住み込む農場・共同宿舎も、その名で呼んだようです。へぇ〜。

 堪能しました。

 続きます。
posted by rico at 23:09| 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする