2019年12月28日

『コミック版世界の伝記 エメリン・パンクハースト』2020年1月発売


コミック版世界の伝記 エメリン・パンクハースト

漫画/瑞樹 奈穂
シナリオ/村上 リコ
監修/佐藤 繭香

発売年月 2020年1月
ISBN 978-4-591-16478-5
定価 1,045円(本体950円)
ポプラ社
「言葉よりも行動を!」女性の地位向上のために闘ったイギリス女性参政権運動のカリスマ、エメリン・パンクハーストの生涯。

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 児童向け伝記コミックのシナリオを手がけました。イギリスやアメリカでは多くの専門書が書かれ、もっと低年齢向けの絵本にもなるほど知られている人物ですが、単独でくわしく取り上げられている日本語の本は少ないため、あれこれの英文資料を読んで自分なりの人物像を作っていきました。漫画の原作・シナリオを書くのは初めてで、不慣れな点が出てしまったかもしれませんが、編集さんや漫画家さん、監修の先生のお力で形になってほっとしています。中のデザインにも紫や緑がいっぱい使われて、とてもきれいな本に仕上がりました。
 
 漫画は『フラガール』のコミック化や、同じポプラ社コミック版伝記シリーズの『グレース・ケリー』『アガサ・クリスティー』などを手がけられた瑞樹奈穂さん。監修は『イギリス女性参政権運動とプロパガンダ: エドワード朝の視覚的表象と女性像』の佐藤繭香先生です。

 子どもの読む本の世界にこのようなトピックをどんどん広げてもらいたい一心でがんばりました。お手に取っていただけると幸いです。

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2019年12月27日

2019年の書き物仕事まとめ

「2019年は、また少し方向の違う仕事にも挑戦していく予定です」――とひとつ前の年始のエントリに書いたはいいが、あっという間に時は過ぎてもう年末。今年は時間をかけて取り組んだ仕事がまだ世に出ず、短文のみとなりました。

 ま、こんな年もあるよね。ということで、まとめておきます。読んでくださった方、ありがとうございました。


ミュージカル『レベッカ』

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プログラム コラム「はざまの時代に生きる「わたし」の物語」


映画『ヴィクトリア女王 最期の秘密』

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プログラム コラム「ヴィクトリアとアブドゥル、身分違いの友情」


スーザン・ハーラン著 富原まさ江訳『文学の中の家―『自分だけの部屋』を装飾する方法―』

解説「文学のお屋敷に行こう」


テレサ・オニール著 松尾恭子訳『ヴィクトリアン・レディーのための秘密のガイド』

解説「ヴィクトリア朝への(魅惑的で、危険な)旅をサヴァイヴする方法」


 なお、2020年早々に、このところがっぷりだったお仕事が発売になる予定です。いつもがんばっているつもりではありますが、内容的に、対象読者的に、特に思い入れのある企画になりました。どうぞよろしく。


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2019年01月24日

『図説 英国メイドの日常』『図説 英国執事』新装版発売中


図説 英国メイドの日常 新装版
村上 リコ 著
単行本 A5変形 ● 144ページ
ISBN:978-4-309-76271-5 ● Cコード:0339
発売日:2018.05.11
19世紀英国ヴィクトリア朝の最大多数派の女の子たち……メイド。同時代の図版を駆使して、彼女たちの日常、恋や結婚、彼女たちの〈本当の気持ち〉に迫る! 決定版。
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図説 英国執事 新装版
村上 リコ 著
単行本 A5変形 ● 152ページ
ISBN:978-4-309-76277-7 ● Cコード:0339
発売日:2019.01.21
幻想に包まれた「英国執事」。その歴史と現実の生活をさまざまな図像と資料を用いて明らかにする、初めての一冊。古き良き時代の、貴族と男性使用人たちの生活とは?
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 2011年の『図説 英国メイドの日常』と2012年の『図説 英国執事』が、いずれも在庫が少なくなり、カバーを変更した新装版として発売されました。いずれも誤字・誤記をいくつか訂正したほかは、書き足しなどはなく元の本とおおむね同じです。旧版をお持ちでない方はこの機会にお手に取っていただけますと幸いです。
 
『メイド』は初めて自分の名前でひとりで書いた単著でした。地震があったあの年から8年、読んでくださるみなさまのおかげで、装いを変えて引きつづき書店の棚に置いてもらえることになりました。ほんとうにありがとうございます。

 2019年は、また少し方向の違う仕事にも挑戦していく予定です。どうぞ見守ってください。
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2018年10月04日

新刊『図説 ヴィクトリア女王の生涯』


図説 ヴィクトリア女王の生涯
王宮儀式から愛の行方まで
村上 リコ 著
単行本 A5変形 ● 140ページ
ISBN:978-4-309-76274-6 ● Cコード:0322
発売日:2018.09.27

 19世紀の63年間にわたり、繁栄するイギリス帝国に君臨したヴィクトリア女王。彼女自身の残した日記や手紙、同時代の図版を手がかりに、絢爛たる王宮儀式と、日常の素顔を探る。


 新しい著書が2018年9月末に無事に発売されました。
 
 1819年に誕生、1837年に即位し、1901年に世を去ったイギリス、ヴィクトリア女王の生涯と生活を追った本です。彼女の公的生活=儀式や公務と、私的生活=幼年期の教育、衣食住、周囲の人との関係、好きなもの嫌いなものなど、の両面から追っていきます。

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 目次です。

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 公式な肖像画や写真といった、よく知られたおなじみの資料のほか、同時代の雑誌・新聞、そして存命中からさまざまな種類が出ていた低年齢読者向け伝記の挿絵など、さまざまなタイプの図像を集めて紹介しています。テキストは日記や手紙などの公刊された資料を中心に読み解いていきました。

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 並ぶ者なき歴史上の有名人だけに、すばらしい先行研究・類書が数多くあります。しかし図像に関しては、比較的珍しいものもたくさん掲載することができたのではないかと思っています。

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 当時の人たちが彼女をどのように見ていたか、また彼女が自分をどう思い、どのように表現したかったのか、それぞれの像を結ぶ一助となれば幸いです。

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2017年01月24日

『図説 英国社交界ガイド』紹介とあとがき公開



『図説 英国社交界ガイド エチケット・ブックに見る19世紀英国レディの生活』
村上 リコ 著
単行本 A5変形 ● 128ページ
ISBN:978-4-309-76249-4 ● Cコード:0339
発売日:2017.01.26

 19世紀の英国において、力を増した中流階級に属する女性たちは、貴族や地主の生活スタイルをまねることで、少しでも上の「社交界」に近づこうとしていた。当時、数多く出版されていた「エチケット・ブック」の記述を手がかりに、ヴィクトリア時代の中流女性が送った社交生活を再現し、彼女たちの心情に迫る。

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 2017年1月26日ごろ発売になります。河出書房新社「ふくろうの本」シリーズで4冊目の新しい書きおろし本です。読んでくださるみなさま、いつもありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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 詳しい目次です。クリックで拡大すると読めます。

 社交とは、人付き合いのこと。社交界とは、身分の高い人びとが交際する小さな社会。19世紀から20世紀初頭の英国で、「社交界に入りたい」人、「その世界で名誉ある地位を占めたい」人が、「武器」として、あるいは「パスポート」として、身につけておかなければいけなかったものはなんだったのか。エチケットを覚え、服装を整え、紹介を受けて訪問し合い、本格的なパーティーに招き招かれ、もてなしもてなされ、互いを品定めし、地位上昇を狙う……。そんな彼女たちの日常と野望を、当時の「エチケット・ブック」の記述から考察しています。もし自分だったらどうするだろう……と、身近に感じてもらいたくて、書き方を工夫してみました。

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 いつものように、当時のようすがわかるような風俗画、風刺漫画、ファッション画などもいろいろと収録しています。

 この本で何をしようとしたか、書いてみてどうだったか、以下に「あとがき」を公開しますので、読んでいただけると幸いです。


 あとがき

「エチケット」が苦手です。
「空気を読む」のもとても下手です。
 そんなわたしですが、たまに英国ヴィクトリア時代を舞台とした作品の制作に参加して、当時のマナー、エチケット、人どうしの距離感やふるまい方の「法則」を調べる仕事をすることがあります。そうしてわかった情報を、一冊の本にまとめておけば、いずれリファレンスブックのように使えるかも――と、そんなもくろみ(取らぬ狸の皮算用)のもと、この本の企画を立てました。
『社交界ガイド』というタイトルは編集部でつけていただいたものです。この題から、華麗なる上流社会のすべてがわかる、貴族とつながりがあったりする「ハイソサエティな」人が書いた本……を想像してお求めになった方がいたとしたら、ご期待を裏切って申し訳ありません。わたし自身は王侯貴族や社交界などまるで縁がなく、むしろ現実世界では、階級社会に疑問を抱いているほうです。
 エチケットは苦手です。
 どうしてそんなに苦手なのか、この本と向き合って、少しわかった気がします。人付き合いに暗黙のルールがあること。その、ひとつひとつのルールを決めているのは誰なのか、よくわからないこと。ルールがひとり歩きして様式化していくこと。客観的に見ることができれば面白い現象ですが、なんというかこう、社会のルールを理解できず、「空気を読めず」、きまりの悪い思いをした過去のあれこれがよみがえり、執筆にはいつも以上に時間がかかってしまいました。関係各位にはご迷惑をおかけしました。
 マナーは大切だよ、思いやりだよ。人生を豊かにするよ、という考えの方にも、わたしのようにエチケット全般が苦手な人にも、この本が、何かを考えるきっかけになってくれれば幸いです。

二〇一六年一二月 村上リコ




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2017年01月10日

2017年のご挨拶と新刊『図説 英国社交界ガイド』のお知らせ

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『パンチ』1867年8月31日、ジョージ・デュ・モーリエ「ティットウィロー夫妻、おいとまごいをいたします」より。(文字無しの図版と解説は新刊本に収録予定)

 旧年中はお世話になりました。本年もよろしくお付き合いのほどをお願いいたします。
 
 2016年は、前年の『図説イングランドのお屋敷』に続き、トレヴァー・ヨーク著『図説英国のインテリア史』の翻訳書を出すことができました。マール社より好評発売中です。また、12月に宮城学院女子大学に招いていただいておこなった講演も印象に残っています。学生さんたちの言葉に触発されて、わたしも自分の考えを素直に表現していかなければいけないという思いを新たにしました。ありがとうございました。
 
 太田詩織著『オークブリッジ邸の笑わない貴婦人』シリーズの監修をさせていただきました。19世紀の生活を北海道で真剣に再現するという内容の連作短編小説です。

 枢やな著『黒執事』では引きつづき漫画連載のアドバイザーをつとめています。また、今月公開になる劇場版『黒執事 ブック・オブ・アトランティック』ではひさびさにアニメ制作の考証協力もしました。

 国書刊行会より、「シャーロック・ホームズの姉妹たち」と題して、19世紀末と20世紀初頭にイギリスとアメリカで発売されたレアな女性探偵小説の邦訳が発売されました。ファーガス・ヒューム著『質屋探偵ヘイガー・スタンリーの事件簿』レジナルド・カウフマン著『駆け出し探偵フランシス・ベアードの冒険』(いずれも平山雄一訳)の二冊に、僭越ながら解説を寄せています。「当時の生活や女性に関することならなんでも自由に」とのご依頼だったので、本当に自由に書かせていただいてしまいました。お読みいただけますと幸いです。

 そして昨年後半はオリジナルの著書に取り組んでいたのですが、思いのほか苦労して時間がかかってしまい、現在にいたります。ようやく今月末、河出書房新社ふくろうの本より『図説 英国社交界ガイド エチケット・ブックに見る19世紀英国レディの生活』として発売になる予定です。「エチケット・ブック」の記述を通して19世紀英国ミドルクラス女性の社交生活を想像する本です。詳しい内容については、追々紹介していきますね。

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 書影はまだですが、書店での予約は始まっています。なにとぞよろしくお願い申し上げます。
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2016年12月04日

翻訳書の企画持ち込みの話


 先日、仙台の宮城学院女子大学で学生さん向けに講演をし、翻訳出版をしたい本があるが、企画の持ち込みはどうやってするのか、という質問を受けました。これはたまに聞かれることでもあるので、自分の場合を少しまとめておきます。あくまで自分の場合であって、他の方はまた違う経験をされていると思います。

 なお、自分自身もまだまだ経験の浅い身であり、経歴を存じ上げない方から個人的に企画を送っていただいても、世に出してさしあげる力はありませんので、あらかじめご了承ください。

 まず、最初の著書『図説 英国メイドの日常』を書いたときに付き合いのできた担当編集者に、次に翻訳して出したい本の企画書と試訳を渡して、検討してもらい、運よく形になったのが『英国メイド マーガレットの回想』です。先の本の中に、自分が魅力的だと思う記述を引用して論拠にしていたので、先方にもすでに内容が伝わっていたという強味はあったと思います。
 
 そのあと、別のところから近いジャンルの本の依頼をいただく形で『図説 メイドと執事の文化誌』の翻訳をしました。もともと原書の刊行前にエージェントから出版社にオファーされたものだそうです。それから同じ著者の旧作を続けて出したらどうかと、これは自分で企画書を作って提案し、制作期間の都合で別の方に翻訳を任せて監修のみをしました。『英国の幽霊伝説』です。

 翻訳権が空いているかどうかは、企画書を渡したあと、出版社がエージェントに問い合わせて調べてくれます。この手順を個人ですることはありません。先に個人的に著者にコンタクトをとったこともないです。

 出版企画書(梗概書、レジュメ)の書き方や持ち込みの仕方は、ネット上を探すといろいろありますが、たとえば以下の記述はわかりやすいかと思います。

越前敏弥 出版翻訳あれこれ、これから
第3回:翻訳出版の企画を立てるには 
 http://dotplace.jp/archives/22868
(リンク先のご本人ブログも参照)

翻訳コーディネーター 加賀雅子さん
 http://www1.vecceed.ne.jp/~gentil/ohanashi.kagamasako.html
(1−2.レジュメ活用術 の項を参照)

 わたしにもこれまでに、ぜひ出したいと思って企画書を書き、あちこちで話をしたけれど、書店での売り場がはっきりしないジャンルのすき間的な内容であるとか、原著者に連絡がとれないなどで、棚上げ、没になった企画があります。もっとキャリアの長い、本格的な、名のある翻訳家さんには、それはそれは多くの「保留」「没」「かと思ったらよそから出た」企画があると思います。

 別のところに複数回持ち込んでお断りされ、なぜ出しにくいのかの説明にも納得がいき、自分の中でもまあ区切りはついた、という本の企画書を、ここにあげておきます。企画書の「フォーマット」の参考にしてください。これはすでに付き合いのある編集さんに渡したものなので、訳者(わたし)の経歴や、読者ターゲット、売り上げ予測などの情報は省いてあります。初めてお会いする方に持ち込みするときはそういう情報もつけることはありますが、なるべく手短にします。

(なお、出版を検討したい、という編集者の方がおられましたら、メールフォームよりご連絡ください。数年前に調べていただいたときは翻訳権は空いていました)

 翻訳の仕事をしたい方は、どうしても自分が出したい本というのがあってそう思うようになったのかもしれませんが、もし職業として継続的に携わるつもりがあるなら、ひとつの本にこだわらず、たくさん企画を作ってみたらよいと思います。がんばってください。
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